フェアトレードの歴史と動き
                   

フェアトレードの歴史
フェアトレードの流れ
フェアトレードの動き
フェアトレードの海外事情 





フェアトレードの歴史
 フェアトレードの動きの軌跡を辿るのは難しいのですが、1940年代にアメリカでオールタナティブ・トレード(もう一つの形の貿易)組織として、NGO活動の中から始まったとも言われています。また、1960年代をフェアトレードの始まりの起源とする立場もあります。
 1967年までは「はじまりの時代」で、開発援助活動が中心のころです。第三世界から物品を購入し、販売する活動が既にありましたが、自立には経済的問題の解決が重要と認識するのはその後半です。
 1974年から1985年は、生産者の状況や情報を付加し、消費者の理解を広げた時代です。ここから、社会の構造的変革の基礎、動きがでてきました。環境、女性、貿易のネットワーク化、第三世界の自らの改善の動きなどです。理念を尊重し、実践しようとした時代です。
 1970年から1980年代前半は、ビジネスとして広がりを持ち始める時代に入りますが、同時に、理念を守る貿易の難しさに直面した時代でもあります。それは、理念を守るが故に財政破綻を来たしたことです。例えば、1984年には、ABAL FAIR TRADEが10年間の活動の後に破綻。1991年には、BANKRUPTCY of S.I.I.が15年の活動の後に破綻しています。
 これらの経験を経て、生産者を含め、資本を規模に合わせて充実する必要性が認識されました。それ以後、必要とされる分野の専門性を深めるプロフェッショナル化への動きとなって変化して行きました。一般市場へ広げるには、ラベル表示が消費者の認知度を高めやすいので、ラベル表示の標準化を与える運動にもなりました(FLO)。輸入団体が共通の課題を話し合い改善して行く運動(EFTA)や、消費者に最も近いところにいるお店同士がよりフェアトレードに貢献するための組織化(NEWS!)にもなりました。唯一、生産者と購入者がお互いの課題と改善に向けて話し合える国際的な組織、IFATも設立され、フェアトレードは、一つの人間的豊かさを計る物差しとして、市民の中に根付こうとしています。 


村で生産したコーヒー豆を都市部まで運ぶ


フェアトレードの動き
 フェアトレードの動きを統一的に語るには、もう少し時間がかかるかもしれません。それは、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、日本との間での情報交換ネットワークが確立していないからです。でも、その動きも始まっています。
 フェアトレードの世界で特に大きい影響を与えているのは、ヨーロッパです。ヨーロッパでの代表的な団体は4つ。EFTA、NEWS!、FLO、IFATです。
 また、ヨーロッパでは、フェアトレードの輸入団体は、各国のいわゆる世界ショップ、地域のグループ、展覧会、キャンペーン、卸、通信販売などのルートに製品を供給して販売しています。


◆EFTA
 現在、アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインの4カ国が加盟し、輸入が効率よくできることを目指し、生産者や商品の情報交換、貿易政策の改善などを目指しています。

http://www.efta.int/


◆NEWS!
 オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、ポルトガルの13ケ国、2,500店が加盟する各国の世界ショップ協会のネットワークです。


http://www.worldshops.org/


◆FLOインターナショナル
 1997年に設立された団体で、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルグ、オランダ、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカの15ケ国間で導入されているフェアトレードマークのネットワーク組織で、夫々の国の選択により、トランスフェアー、マックスハーベラー、フェアトレードマークが用いられています。その適用は、大方食品、嗜好品に限定されていて、大部分はコーヒーに適用されている状況ですが、その商品への基準作りとモニターをして、現在までに29ケ国、約300の生産者団体が認可を受けています。

http://www.fairtrade-jp.org/


◆IFAT(International Federation for Alternative Trade)
 1989年の5月に、アフリカ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、日本、北アメリカ、南アメリカの国々のオールタナティブ団体により設立。協同してフォーラムを開いて、情報の交換を行い、共通課題の解決とフェアトレードを促進して行く北のフェアトレード組織と、南の生産者の橋渡しを行っています。メンバーは、70ケ国、300団体が加盟し、生産者の持続的な生活向上を目指しています。

http://www.wftday.org/japanese/index




村で無農薬コーヒーを栽培している若夫婦

フェアトレードの海外事情
 ヨーロッパでは、フェアトレードによる商品は、どのように受け入れられているのでしょうか。イギリスでは68%の消費者が、スイスでも64%の消費者が喜んでやや高いフェアトレード商品を買う傾向にあります。また、イギリスでは、84%の消費者が、スイスでは84%の消費者が,そしてオランダは66%、ベルギーでは62%の消費者がフェアトレードマーク表示した商品の存在を知っています。
 1997年、ヨーロッパのフェアトレード団体は、約800を越える生産者グループより輸入をしました。小売総額は、250億円で、1,500人のフルタイムスタッフを雇用し、1万人のボランティアが貢献したことになります。売上に占める食品の割合は60%で、その30%がコーヒーで占められています。


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