お店訪問 ウィメンズショップ パッチワークを訪ねて 栗田利都子

◆訪問のきっかけ
 普段、生産者の方々やネパールの事情については学習会で勉強しているけど、その生産者が作った商品を売ってくださっているお店は、どんな思いでやっているのだろう?フェアトレードの日本側最先端まで知りたいね・・・みんなでお店を訪問して、お話を伺ってみよう!!
そして五月晴れの気持ちのいい日曜日、ボランティアの方と共に「パッチワーク」というお店をたずねました。

◆青山の瀟洒な場所
 東京、青山。渋谷から表参道につながる、おしゃれな店や国連大学などが連なる通りに、東京ウィメンズプラザの立派な建物があります。「パッチワーク」はこの東京ウィメンズプラザの中の1階にありました。建物の中の、「売店」という案内にしたがって歩いてくと、休憩所の一角に、売店スペースにところせましと商品を置いている店が・・・。「パッチワーク」です。
 お店の広さは6〜8畳くらいでしょうか。世界のフェアトレード商品、エコロジー雑貨、オーガニック食品、それに女性問題や環境、フェアトレードに関する本などが、休憩スペースまであふれています。ちょっとした調理スペースもあり、お客様はケーキや飲み物を買って、休憩所のテーブルといすでくつろぐことができます。休憩所の壁には、フェアトレードフェアに合わせて私達が貸し出していたミティーラの絵が飾られていて、訪れた人達の目を楽しませていました。

◆始めた経緯
 私たちも、おいしいケーキとお茶をごちそうになりながらお店の雰囲気を楽しんでいると、お店のオーナーの一人でいらっしゃる長谷川輝美さんがみえました。一見、華奢にみえる長谷川さん、話してみると、落ち着いた、柔らかなものごしの中にも、強いエネルギーとしんの強さを感じさせる方でした。
 長谷川さんは、東京ウィメンズプラザで行われた社会参画講座で起業について学び、このことがきっかけで、「パッチワーク」を始めたそうです。その講座で、将来エコロジーショップをやりたい、と発表したら、偶然にもパッチワークさんの前にあった売店が閉店するところで、次の運営者を募集しているとのこと。そこで友人の荻村さんと共に出資者を募り、「プロジェクト・パッチワーク」というグループを立ち上げ、その3ヶ月後に開店しました。
 最初は、女性問題やエコロジー関係を中心に考えられましたが、荻村さんのパートナーの関係で、「第3世界ショップ」のコーヒーと出会い、少しずつトレード商品も扱うようになったのです。

◆お店の立地条件
 「パッチワーク」は東京ウィメンズプラザのなかにあるため、外からは店の存在がわかりません。そのため、店に立ち寄るのはプラザに来た人だけで、道を歩いていた人がブラッと入ることはなかなかないそうです。しかし、プラザで全国規模の研修などがあった場合などは、地方の方々がフェアトレードを知るきっかけにもなっているようで、リピーターではないが全国から来る、それが「パッチワーク」の弱みでもあり強みでもあるとのことでした。

◆“女性”に視点をおいたフェアトレード
 「フェアトレードとは、生産者を尊重した公正な貿易。「フェア」の中身を自分の言葉で話せるようになりたい。自分にとっては女性の立場からのフェアトレードが中心ですね」と語る長谷川さん。1995年に北京で開かれた女性会議に出席された時には、アジアやアフリカの国の女性パワーに圧倒されたこともあったそうですが、それを逆に自分の「やる気」に変えていったそうです。自分の夢を、情熱をもって語る姿は本当に素敵。でも、これは強い意志なくしてはできないことで、頭が下がる思いです。
 長谷川さんたちは、全国に女性の可能性を提示する場としての素敵なお店を持たれた、と感じました。またこのお店に来て、ゆっくりとお話を伺いたいな・・・と思いつつ、私自身、「パッチワーク」で元気をもらい、「やるぞっ」というパワーをつけて店をあとにしました。

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